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起こるかも知れない遺品の放置とゴミ屋敷化した部屋や家が原因の9つの弊害

2022/05/28

当社はゴミ屋敷や遺品整理などの片付け関連のお仕事をしています。業務の中で色々な状態の家に出会いました。
ゴミだらけ、新聞だらけ、まるでテトリスゲームのように床から天井まできちんと荷物を積み上げている家、あるいは男性でもきれいな部屋だったり、他の人の生活がそのまま残っているので、大げさに言うと様々な人生模様を目にすることができました。
色々な片付けを行っていくうち気がついたのは、一番問題になるのは、やはり荷物を置いたままの建物ということです。

 そこで今回は「どこでも起こるかも知れない遺品の放置とゴミ屋敷化した部屋や家が原因の9つの弊害」というタイトルで、放っておくと、大変な恐れのあるケースをここでは一例を掲載していきたいと思います。

1.換気が悪く放っておくと建物は傷む

これはゴミ屋敷、遺品整理だけでなく、家や部屋の片付けを行うにしても全般的に言えることですが、建物というのは人が住まないと徐々に傷んでいきます。
「家は息をしている」とも言われますので、季節毎に換気などをしながら、傷んだ部分を修理していかないと、じわじわと劣化が進んでいくのです。
全国各地には昭和の高度成長期に建てた家がたくさん残っています。

それは建築から30年から40年と経過しているので、屋根や外壁の劣化など建物全体の管理には注意する必要があります。
特に相続などで所有者が遠方などに住んでいて建物の換気や修理、保全などに手が回らない場合は建物の傷み方が住んでいた時の何倍も速くなるため、無人になるとわかった時点で家の中の片付けなどを行い、最終的には売却・賃貸などの貸し出しなど出来るだけ居住してもらう事が出来れば、建物の異常に気付くことも早くなり最終的には劣化自体を抑えることもできると思います。

2.長期間放置すると食品が腐る

 普通はあまりありませんが長期入院などで家(部屋)を長く離れてしまう場合にそれまで暮らしていた部屋の食品が腐ってしまうといったケースが一番当てはまるのではないでしょうか?

 
 特に病院や長期出張などに行ったものの、すぐ帰ってくるとたかをくくっていたのに、緊急入院や出張先のトラブルなどで時間がかかってしまい、すぐに戻れず部屋の中で色々な物が腐ってしまったというのは経験上、非常に多いケースだと思います。

 特に部屋に戻れないことが長引きそうな場合やすぐに家に戻れなくなった場合は事前に缶詰や乾物などの保存食以外はすべて捨ててしまうのがいいと思います。
 どちらにしても自分で処理できない場合は、近くに頼める人がいるのであれば台所周辺の腐りやすい食べ物だけでも誰かに処理してもらうようお願いしましょう。

3.害虫(ゴキブリやネズミなど)がはびこる

 上記2とも関係がありますが、基本的にゴキブリやネズミなどの害虫は腐ったものが大好きです。
無人で、食べ物が残っている建物などネズミにとっては天国です。すぐさま住み着いてしまい、家具や壁を削ったり、糞尿をまき散らしたりなど、様々な被害を与えます。

 また、ねずみ算式に繁殖するので、その被害の深刻さは相当なものになるでしょう。
 そしてネズミよりも繁殖率が高いのがゴキブリです。

 あっという間に家の中はゴキブリの巣と化してしまいます。
 特に長期に亘る空き家はこれらの害虫がはびこり、その後始末には大変な労力と金銭がかかる恐れがあります。古い家だからと言って放置せず、遺品整理などを早めに行ってきれいにしておくことで、ネズミなどが住みにくい環境にしておくことをお勧めします。  

4.家の周辺に害虫が住み着く

 これは上記3の悪化した場合とも言えます。

 以前行った片付けの現場で片付けてほしいと依頼されたゴミ屋敷化した戸建ての壁にはゴキブリが大量に張り付いていました。
 それも1匹や2匹ではなくざっと10匹以上もいたのです。

 壁でこれなら、中はさぞかしひどいだろうと予想していたら、やはり家の中はGの天国でした。
こういう家と隣の家が近かったら、ゴキブリは隣家にも移動し、そこでも繁殖してしまいます。
このように他の家へも迷惑をかけてしまう可能性があるので、食べ物の放置はせず、不要な食べ物は捨てるなりして、しっかり処理を行いましょう。

5.電源ブレーカーを落とした冷蔵庫を置いておくと、家の中が害虫だらけになる

 ゴミ屋敷や遺品整理などの部屋の片付けでよくあるのが、タッパーなどの容器が経年劣化で破裂したり、ひびが入って、中の食べ物が漏れ出したり、腐って発酵した結果、悪臭を放つことです。
 もっとひどいのが、電気代がもったいないからと食品を入れたままで冷蔵庫の電源を切っておくことです。

 扉が開いていなくても冷蔵庫は蒸発皿という湿気を水滴にして外に出すための外部通路がある為、その外部通路から腐った匂いにひかれ大量のハエなどが集まりやすくなり、結果その外部通路から内部の食べ物に卵を産み付けるなど大量の害虫の発生源になってしまうことがあります。
 また上記でも記載している通り害虫が集まると、他のネズミやゴキブリなどを誘引する原因となり、家がそれらの巣窟となることもあるため、冷蔵庫の電源を切る場合は中身を全部出して、腐るものがなくなった状態にしてから電源を切るようにしましょう。

6.不審者(動物?)が出入りする危険性がある

 家の中に荷物が入った状態で放置しておくと、人間の出入りがないことがわかってしまい、家の中に何か不審者?が住み着いてしまう場合もあります。
 実は人間だけではなく、猫やタヌキ、ハクビシンなど、野生の動物などの侵入するといった原因が一番多いそうです。

 この場合「者」ではなく「動物」の方がぴったりの表現かも知れません。
 無人状態が続いている場合は動物も警戒しないので野放し状態で家の中を好き勝手に荒らしてくれます。
 また、長時間空き家だと知られると勝手に知らない人間が住みこんでいるということもあるそうです。
 不審動物や知らない人間が入り込むケースはゴミ屋敷よりも遺品などがたくさん残っている家でよくあり得ることです。

 長期的に家を空ける場合は外壁の隙間穴や雨戸などをしっかり固定して、外部からの侵入を防ぐようにしっかりと手を打っておきましょう。

7.空き巣に目を付けられる

 長期間荷物を残して放置されている家によくあることですが、人の出入りの無い家は空き巣がすぐ目を付け、よく観察しています。

 特に目立たない小さな鎧戸のガラスなどを割って入るケースやドライバーなどを使って雨戸を押し開き、ガラスを割って入る泥棒が多いそうですが、近年は段々と大胆になってきており、日中に堂々とバールで割って侵入する泥棒も増えてきているそうです。
 特に遺品等が残っている家の場合で中身が見えるような場所の場合、空き巣が窓を割って親友した結果、そこから雨風が吹き込んだり、色々な生き物の出入口になってしまい、建物は傷んでいく原因になる場合があります。
 私たちが空き巣対策としてお勧めしているのが居住する予定のない建物であれば早めの遺品整理や部屋の片付けなどを行い、建物内の荷物を減らしておくようにし、室内に居住している形跡が無いようにしておくことを進めしています。

 理由は簡単で部屋に居住形跡やものが無ければ空き巣泥棒も侵入する気を無くす可能性が高くなり、結果防犯効果を期待できます。

また、片付けなどを行わない場合でも日常的に建物の中外両方をきれいにしておくと人が出入りしていることがわかる為、空き巣も侵入しづランクなると思います。

8.火災や放火犯などに狙われる

所有する建物を放置することで一番怖いのは放火を含めた火事による損害です。

これはゴミ屋敷にしても遺品整理前の家でも言える事ですが部屋の片付けをしないで置いた場合、炎症による被害だけではなく様々な損害が発生します。

また、一般的には火災ごみは室内に一般物については引き受けはしてもらえますが、火災時の放水などにより濡れていることや大量の煤が発生している為、処分を依頼された場合も高い処分費を請求される場合があります。

また、相続等で受け継いだ建物の場合、火災保険に加入していない場合も多く、近隣に延焼したときの賠償などで揉める場合もあります。
どちらにしても所有権があるので、何かあった場合に様々なことで他の人に迷惑をかける可能性がありますのでこの点についても対策を考えておく必要があるでしょう。

9.古すぎると倒壊の危険性もある

当然ながら古い建物には倒壊の可能性もあります。
この記事を書いているのは2016927日ですが、こんな事件がありました。

95年民家岐阜県大垣市で三軒長屋が突然倒壊 市が是正指導中の民家(毎日新聞より抜粋)
 http://mainichi.jp/articles/20160927/k00/00m/040/110000c

これは日中に何の前触れもなく突然建物が倒壊した事件ですが、大垣市では是正指導中でした。しかし、対応が間に合わず、老朽化により自然に朽ち果ててしまったのです。ちなみに、これは人が居住中の建物でした。

古い建物の場合、屋根の隙間などから雨が入り込んでしまうと、建物の根太などが腐ってしまい、屋根瓦などの過重に負けて壊れてしまうことがよくあります。

部屋の残地をすべて撤去してほしいという依頼で作業に行ったところ、屋根がきれいにすっぽりと抜けて青空が見えていたこともありました。その現場ではありとあらゆる全てが腐っていたので、作業していても非常に危険だったと記憶しています。
どちらにしても古い家をそのまま放置して、通行人などがケガをしたり、他の所有者の建物や持ち物を破損してしまった場合の責任は、建物の所有者が負うことになってしまいます。
倒壊する可能性がある場合は、早めに中身を片付けて、売却などを考えた方が良いかもしれません。

 

以上、「起こるかも知れない遺品の放置とゴミ屋敷化した部屋や家が原因の9つの弊害」について説明してきましたが、いかがでしょうか?
様々な例を提示しましたが、放火以外のケースは実際にご依頼されて当社で片付けをしたこともあります。
今後の日本は、長期放置などによりこのような弊害が起こりえる建物がどんどん増えていくのだろうと感じています。
ゴミ屋敷や遺品が残った状態で、建物火災や倒壊などが起こると目も当てられず、最終的にはとんでもない金額を処理費用として負担しなければならない可能性もあるのです。

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